
作品紹介
- 作品名
- 旅立つ提げ茶箱(遊山箱)に新しい瓢箪茶入れと茶杓と携帯型水指を収めて
- 材質
- 檜 桜 桂
- 使用した道具
- トリマル君 ドリルスタンド
- 作品コメント
- 『追善茶会』の際の会話で、拙作の『提げ茶箱(遊山箱)』が某流使い手茶人の友人の元へ旅立って行く事になりました。徳島の木製品特集テレビ番組で遊山箱を観て思い立ち、機材調達で2年かけて準備し、箱そのものは3か月程の工作で自分用にと思って作った茶箱ですので、他の人が使う汎用性を確実にするためと、友人からの要望を加えて、アチコチ手を入れました。友人からの希望は、元の茶入れが頭部がポッチ付きの瓢箪茶入れなのを、置く茶杓の安定を考えて六光星刻印付きにというのと、茶杓を『茶会用に削った5本茶杓』のうちのゼブラウッドが良いという事と、使い手の大きな手を考えて欲しいという事以外は出来るだけオリジナルのままが良いという事でした。
茶入は『瓢箪茶箱用の瓢箪茶入』や『追善茶会用の瓢箪茶入』の製作方法に倣って、木工旋盤無しの環境で中蓋も含めて桜材からの削り出しです。外側と中蓋はトリマル君で粗切削の後ドリルスタンド旋盤で削り、内側はトリマル君で内縁浚い+鉛直ドリル中抉りの方法で削りました。元の瓢箪茶入より幅が少し幅くポッチャリの瓢箪型に削り出しできました。今回は、刻印前後共に木固めエースをしっかり浸潤させた後に、ガラス系塗料をしっかり塗り磨きを掛けました。網袋は、当初版のΦ65ミリで縦糸28本のが、今回版のΦ57ミリ縦糸36本と、糸間隔が約70%間隔の細かい目での網組にしました。苦労はしましたが、細かな綺麗な組みですね。
水を携行出来る水指は当初版が300mlと少な目だったのを、収納空間と調達可能な100均の密閉容器と勘案して550mlまで拡張することにしました。外側木製部の製作も『とらや組み立て式菓子箱と水指』で着想実施した、角材の上下両側からトリマル君使っての薄肉円筒切削+薄底板接着(容器内臓なので水密OK)の方法で、建水内側と下段引き出しの空間内に丁度収める事が出来ました。これで友人が4~5人にお茶を点てられます。
箱の取っ手は箪笥引手を組付けたもので、当初版時は大型のが品切れで、ちょっと窮屈だけど自分用だから良いかと納得してましたが、嫁入り先友人は手が大きく対処が必要です。金具交換も考えましたが、水含めて4kgがココに集中するので、天板裏にアルミ補強版を大きく接着してあり交換には天板を外す必要があり、また箱組立も長細いネジ釘留し隠し細工を施し天板外すのも大変で、吊り手補助具を作る事にしました。また、カセットボンベからの簡単ガス注入専用具もALVAに特注したので、スペア含め補助具を保管時に箱内に納める小箱を、完全留組+スライド蓋で製作しました。引き出しの必要箇所に可動式茶筌立てと兼用で小箱を固定できるように、隠しマグネットを設けました。これで補助具含め一式を提げ茶箱に納めて、友人事務所棚に置けます。また、屋外使用時の防風用として、湯沸かしを箱内で行う事も有り得るので、箱内側に防炎塗料を塗っておきました。
友人からの要望で、出来るだけオリジナルのままでという事なので、頂いた茶道師匠に断りを入れて渡すことにした主茶碗含め色々探し出した茶碗3客と、当初版は裸でした茶杓を、揃いの鹿文有栖川錦の仕覆に納めて、客人前でも使えるようにしました。
追善茶会 道具持ち寄り開催で木工品製作 敷板、釜敷、釜据 クロモジや盃の焼き印
遊山箱 湯沸かし道具や菓子を組んだ提げ茶箱 トリマル君で茶入れ、密閉タンク内臓の水指 どこでも野点
追善茶会のために、白竹、黒柿、ゼブラウッド、紫檀、パープルハートの茶杓を削る
リクセン受を設けたランドナーに茶釜付き野点台を積み、瓢箪茶入れの茶箱で野点へ、DOVEのRIXENのクイック化も
追善茶会のために桜材で瓢箪茶入を木工旋盤無し環境で製作
スーパーLJ装備のミニベロ とらやの菓子用の組み立て式菓子箱を積んで野点へ 密閉容器内臓で水を持ち運べる水指も2種製作
作者紹介
- 作者名(ニックネーム)
- sarusuberi
- 年齢
- 70代
- 木工歴
- 6~10年
- お住まい
- 東京都