作品紹介
- 作品名
- まんまる茶箱にフクロウの茶碗と網袋を掛けた半月型茶入を収めて
- 材質
- キハダ イエローポプラ 桂 紫檀 朴
- 使用した道具
- トリマル君 ドリルスタンド
- 作品コメント
- 昨年9月の『追善茶会』で席主を務めてもらった茶友人に、記念に拙作の茶箱群から好みが合えば贈呈すると申した所、『まんまる茶箱』を所望されました。これそのものは既にアメリカへ旅立っていたので、元になる球体菓子器を当時作ってもらった日光彫りの店に問い合わせると、作れる方は亡くなられており、また後継者も居ないとの事。但し、やや上下が縮んだ碁石入れ状のまんまる菓子器なら在庫があるとの事なので、内空高さや蓋口径の大きそうな複数個を送って貰いました。というのは、茶友人からの要望で、梟と満月の愛蔵茶碗を組み合わせたいのと、『どらやきサイズ茶箱』で作った様な半月型茶入をその中に入れて欲しいという条件があり、菓子器に旨く茶碗が入るかが微妙だったからです。ともかく両者を会わせて、菓子器(茶箱)の中を抉る工作を始めました。工作にかかる時間もありますが、茶箱や茶入に拭き漆を施し、使う人がカブレ無い迄の養生時間が必要なのと、この両者の網袋組も必要で、納期は未定というところから始まりました。
10月末に茶箱内部の大粗削りと外面の吸い込み漆1回目を終えて、茶碗に以前作成の半月型茶入れを入れて友人へこんなイメージになるよと写真送った所、2か月後の初釜に使いたいという反応が返ってきました。予感はしてましたがこれで納期が決まりました。ギリギリですが何とかなるでしょう。
茶箱の身と蓋内側は内蔵物ギリギリまで削って、念のため隠しの補強薄板を茶碗高台の当たらないところに接着し、艶が出てくるまで入念な拭き漆の実施です。
茶箱の製作・塗りと並行して、茶入の整形を行いました。どら焼きサイズ茶箱を作成した時に2個分の半月型茶入れの身部分を粗削りしてあり、残してある1個を網袋包んだ状態で今回の茶碗に合う形状に外側削ぎ落していくのです。今回の茶碗は下窄み形状で、一時は無理と整形を断念して新規製作へ切り替えようかとも思いましたが、半月型茶入れ製作手順は結構複雑で納期に間に合わないので、身の下端部分を向こうが透ける皮一枚まで削り、内側に補強パテを塗りこんで増厚する方策で行いました。拭き漆を入念に行うと補強部は判りません。蓋は身の完成後新規でトリマー製作です。
茶碗の残る空間に納める茶筅、茶巾筒、茶杓のうち、茶筅は多少の高さ調整だけ出来ますが、茶巾筒は中身と相談の上で長さ調整が可能ですので最後に空間に合わせて製作です。茶杓は茶碗の中に収まる寸法から、分割ネジ継式で紫檀材を削ることにしました。下半分はドリルスタンドでのナンチャッテ旋盤削りです。
直径12cm,高さ10cmの茶箱を包む大型版と、半月型の茶入を包む非円形版と見た目は異なりますが、共に大仕事の網袋組が残ってます。中身は拭き漆仕上げなので、塗りや養生期間中にラップを巻いて寸法合わせをしていきます。茶箱用のウグイス色は手垢が付かない様に但ししっかり結んでいきます。半月型茶入れは特に底組が重要です。円形の場合は渦巻き状に平結びをして行くところを、試作の結果スイッチバックで弧状平面状に平結びする方式を考案し、旨く行きました。
一番最後は、網袋に包まれた茶箱を収める木箱製作です。『トリマーテーブル』を駆使して、5ミリ朴材の完全留組+スライド蓋で箱を作り、柿渋仕上げで完成し、クリスマスイブに届けられました。友人宅での初釜では好評だった様子です。
追善茶会 道具持ち寄り開催で木工品製作 敷板、釜敷、釜据 クロモジや盃の焼き印
海外旅立ちの、まんまる茶箱と桐小茶箱に、アガチス外箱、ゼブラウッド茶杓、欅小椀、竹茶巾筒を工作
どら焼きサイズのミニ茶箱、トリマル君で半月型茶入れ、つなぎ茶杓
道具3題 ①Tスロットトラック+ドッグホール付きトリマーテーブル ②電動ドライバー鉛直ドリル治具 ③円錐台切削用サークルカット治具
作者紹介
- 作者名(ニックネーム)
- sarusuberi
- 年齢
- 70代
- 木工歴
- 6~10年
- お住まい
- 東京都