てのひらに包める湯沸かし付き茶箱 超小型どこでも野点セット デミタスチタンとTC-15とBRS3000T


作品紹介

作品名
てのひらに包める湯沸かし付き茶箱 超小型どこでも野点セット デミタスチタンとTC-15とBRS3000T
材質
栃 朴 桂 欅 檜 皮革
使用した道具
トリマル君 ドリルスタンド
作品コメント
 拙作の『掌に載る茶籠』の道具類を作っていて、220mlカップの同程度大で湯沸かし込み野点道具組が出来ると思いつきました。大きな手の人であれば、掌に包める野点道具です。この種では、金沢の竹俣勇壱さんの「手のひら茶箱」や、多治見の中島完さんの「小豆茶箱」が、良く知られています。金工や陶芸のこれらプロの方々の足元にも及びませんが、木工を一寸齧ったアマチュア登山愛好者としてトライしてみました。
 道具構成は、茶碗2客分、茶入れ、茶筅、茶巾、茶杓に、湯沸かし道具のカップとガスコンロとライターが最低仕様で、金平糖入れや茶筅立て付コンロ台、更には水筒も加えました。骨格は、エバニューデミタスカップ220ml(EBY285)で、自作の注ぎ口付き欅蓋が載ってます。これまでこれに入るガスコンロは、『自転茶箱と器据』に入れた、イークッカーボンベ(ガス容量12g)+ALVA特注ワンタッチコネクタ(CaliforniaPatioコネクタでは欅蓋が閉まらない)+BRS3000Tバーナーの組み合わせで、満杯でした。(因みにコンパクトガスコンロ最強のプリムス100周年記念のIP9002ボンベ(ガス容量30g)ではバーナーが収まらない) 一方、茶籠で導入したキャンピングムーンTC-15ボンベ(ガス容量15g)はイークッカーよりは大きいけれどバーナーを繋ぐコネクタが不要で、少し空間を得ました。これを活用して茶道具を組込む目論見です。更に外径ピッタリの木椀2ツで挟み込にするとカップとほぼ同じ大きさの道具組外形が決まるという案です。
 TC-15は堅牢で、市販カセットボンベからアダプタ無しで充填しバーナー直結の便利さで、野点セットの中心になりました。組み合わせるBRS-3000Tは6~7年位前に登場した際には、中華製で余りの小ささとチープさから安全性を懸念する声もあり様子見してましたが、5年前にコンパクト化のためIP9002ボンベに併せるべくバーナーも入手し、それ以降はこれが野点セットの主力です。風対策が必要ですが火とボンベが近く輻射熱対応も必須で、自作全体風防から不具合改善のためどんどん縮小化し、炎口外周に限った今の形になって3年程使っています。どれでも使用は自己責任ですが。今回このミニ風防すらカップ収納限界に関係して、燃焼や効果の試験を行いました。沸騰時間や燃費はほぼ同じですが、防風用には必須と判断し、収納時は炎口から外してタンク口溝に収めます。
 課題は嵩張る茶入れでした。そこで『ミニ円筒茶箱』で作成した栃材の半月型茶入れ(容量37cc)のコンパクト化を狙いました。半月の両先端部を切除し檜薄板で閉じて、道具空間を得る設計をしました。出来上がった縦長バウムクーヘンカット状の茶入れは容量24ccで、『山料理の茶箱』のネジ蓋式茶入れ(25cc)とほぼ同じで実用上OKです。
 残るスペースにピッタリ嵌る茶巾入れと金平糖入れは、木型を使って皮革で作りました。『まんまる茶箱』以来製作の茶巾箱は、古い木型を改修して絞り技法で成型しました。金平糖入れは絞りでは無理なので、木型に巻きつけた皮革を縫いと接着で筒製作し、木製キャップを作りました。共に皮革固め液処理の後、人工漆塗(鎌倉赤)です。
 茶杓は収まりを考えて『自転茶箱と分割茶杓』で作ったネジ継式黒檀茶杓よりコンパクトをと、黒檀でミニ茶杓(茶匙)を作りました。
 ボンベ、バーナー、茶入れ、茶巾箱、金平糖入れ、茶杓をカップ底に入れ、茶筅とライターを上に置き、その上に欅蓋で閉じます。『自転茶箱』の時は余裕のあった蓋下空間が、今回ぎっしりになることから、茶筅とライターの収まり確保に蓋裏を削りました。茶筅は、野点用で売られている小型茶筅(高さ8.5cm)より更に小型のミニ茶筅(7cm)を更に足切りして、5.5cmにしています。これでもちゃんと点てられます。
 蓋を閉じたカップを上下からピッタリ挟み包む2つの桂材の薄手木椀を用意しました。一つは茶籠用の建水でしたが、これと同じ大きさの木椀も製作し、共に人工漆(黒、うるみ)で茶碗(容量180cc)仕上げです。また、雲台用Dリング付1/4インチネジと茶筅立用溝を組込ませたホウ材8ミリ丸盤を、トリマル君で工作です。TC-15用のコンロ台(スタビライザー)としては充分な一方、併せる屋外使用の野点必須の茶筅立てには窮屈ですが、コンパクト重視で茶碗同径にしました。
 コンパクト化には邪魔ですが、湯に必須の水運びが要る場合に備え、折り畳み水筒も準備です。15年以上前から現役のモンベルのサーモフレックスウォーターパック(保温サック付500ml 夏山で氷持参)を拝借です。
 小型円筒茶箱で組んだ網袋が道具全部を包む丁度いい大きさでした。最近、同寸法の220ml鎚起カップを入手したので、吊り手を付けて槌目チタン瓶に仕上げた趣き向上版製作を模索中です。

祖母形見の茶籠 超小型ガスコンロや携行水指含めて、どこでも野点の道具一式
中椀付けてチタンマグ雪峰L200をDahon Doveに スーパーLJレバーをミニベロのハンドルステムに組付け 自転茶箱に器据
ミニ円筒茶箱  同行するコンパクトな湯沸かし装置も
登山で山料理と野点の両方が出来る茶箱
まんまる茶箱
ミニベロ(カワムラ ライカ 16インチ)にサンプレックス スーパーLJのフロントディレイラーを装着し、椀をダブル化した自転茶箱に黒檀の分割芋茶杓を載せて野点へ
自転茶箱、ボトルケージに納まる自転車用茶箱をトリマル君で。ミニベロ(Dahon Dove)のフロントディレイラー、多段化の第2弾

 

作者紹介

作者名(ニックネーム)
sarusuberi
年齢
60代
木工歴
0~5年
お住まい
東京都
この作品の感想を作者に伝えよう!
  • ステキ! (0)
  • 欲しい! (0)
  • 不思議! (0)
  • スゴ技! (0)