遊山箱 湯沸かし道具や菓子を組んだ提げ茶箱 トリマル君で茶入れ、密閉タンク内臓の水指 どこでも野点


作品紹介

作品名
遊山箱 湯沸かし道具や菓子を組んだ提げ茶箱 トリマル君で茶入れ、密閉タンク内臓の水指 どこでも野点
材質
檜 桂
使用した道具
トリマー
作品コメント
 「山料理と野点の両方できる茶箱」や「湯沸かしから出来る曲げわっぱの茶箱」など、湯瓶と火器を組み合わせた茶箱を組んできましたが、菓子に関しては疎かになってました。他の茶箱でも美味しいとはいえ振出に入った金平糖までで、生菓子も納める形にしたいなと思ってました。そんな折、徳島特集番組で「遊山箱」を知りました。徳島の伝統的工芸品で屋外遊び時の弁当やお菓子を携行する手提げ重箱がそれで、一気に構想が思い浮かびました。湯沸かし、茶道具、菓子、更に水を含めた野点のための資機材一式を組み合わせた提げ茶箱を組む事にしました。

 茶箱寸法の主因子となる鉄瓶と五徳と超小型ガスコンロ(イークッカー)を選び出して使い易く改造し、茶碗は世相考慮で三客分を焼き物で用意しました。当初構想に無い水タンクも一式化するならと加えることにして、大幅設計変更に。トリマル君+超長尺ビット(全長115ミリ)で桂材から刳り貫いた外蓋付き円柱型水指を、清水を携行出来る様にスッポリ収まる中蓋付き広口PET瓶が入る様改修し、挿入できる小型柄杓を用意して、金属建水も併せました。
 瓢箪茶箱用に作った携行用必須の中蓋付き瓢箪茶入れは網袋を組み直して転用し、一寸大き目のため待機中だった江東区のガラス工房からの蔵出しのギヤマン振出しにも網袋を用意しました。奥の麻衣子さん作の茶筅筒と自作拭き漆の茶巾筒も用意です。
本来の遊山箱は重箱ですから、この茶箱も二重で引出しにして、上の重に三客の茶碗+茶入れと主菓子用空間と干菓子用振出しを考えました。汎用品より大き目のとらやの菓子ケースが三客分収まる寸法です。下の重には、湯沸かしや建水や水指等の道具を入れる事にしました。また、菓子取り分け用に皮革を固めた平皿を用意です。余談ですが菓子と言えば、帝国ホテルにあったコーヒーハウス「さいくる」を思い出しました。ニューサイクリング誌の1982年5月号記事で存在を知り、貧乏自転車マニアとしては敷居の高い所でしたがサイクルパンケーキを頬張ったのは愉しい思い出です。「cycles」の銘が入った紙ナプキンが御宝箱に残っていたら、この茶箱に使えたのに残念。
 遊山箱は重箱を収める外箱が岡持ちと同じ倹飩蓋(鉛直スライド)になっており、その形態を踏襲しました。これで箱設計が出来たので、9ミリ厚の檜集成材にトリマーVカット式の折板構造で、箱製作です。各板部材の接合は普通ならば接着で充分ですが、これは水を含めた一式で約3.8kgの重量があり、小型金折と隠し釘で補強です。また吊り手の箱への接続部分もアルミ板裏当てで内側へ出っ張らないように補強です。上の引き出しはウグイスならぬ茶筅立てを予め設けて点前用の盆用に高めの縁に、下の引き出しは各機材用の収納窪みがあり点前時にコンロ台に、更に倹飩蓋は点前時の茶碗台に、野点時の道具安定を確保させるそれぞれの役割を持たせています。
「湯から沸かせる茶箱」シリーズとしては3つ目ですが、機能優先型から少しづつ茶道具らしくなってきたと思ってます。これで早く「どこでも野点」が出来たらいいなと念じてます。

登山で山料理と野点の両方が出来る茶箱
曲げわっぱからどんどん出して行くだけで湯も沸かせる野点茶箱
本格茶釜用大型野点台セットの一括携行道具群
ミニ円筒茶箱  同行するコンパクトな湯沸かし装置も
リクセン受を設けたランドナーに茶釜付き野点台を積み、瓢箪茶入れの茶箱で野点へ、DOVEのRIXENのクイック化も

 

作者紹介

作者名(ニックネーム)
sarusuberi
性別
男性
年齢
60代
木工歴
0~5年
住所
東京都
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