作品紹介
- 作品名
- 自転茶箱、ボトルケージに納まる自転車用茶箱をトリマル君で。ミニベロ（Dahon Dove)のフロントディレイラー、多段化の第２弾
- 材質
- 檜 桜
- 使用した道具
- 高儀トリマー、サークルカットジグ「トリマル君」
- 作品コメント
- 茶道の中で、茶箱や茶籠に嵌る様になったのは、学生時代から山歩きや自転車等のアウトドア系に慣れ親しんでいて、自然に屋外での喫茶（野点）に結びついたという事があります。更に道具組や作法に煩い茶道に有って、「見立て」という解釈で道具を思いの様に組み合わせが出来るという点で、我儘な自分に有っていたという事も大きな要因です。当然サイクリングでも茶箱をバッグに入れて野点を楽しんでいましたが、多治見の中島完さんという作陶家（茶箱作家）が、12インチのミニベロに載せた洒落たSTANLEYのランチボックスに茶道具を組んで、自転茶と称しての野点を行なっている様子を拝見して感銘し、自分流で真似てみる事にしました。題して「自転茶箱」です。
アウトドア道具から超小型のガスコンロや湯沸かしカップを趣に合うモノで選び、茶道具一式を直径10cmの木製円形茶箱に組込み、少し太め用のボトルケージにセットして使う様に設計しました。
頼れる円形切削電動機はトリマル君＋トリマーだけですので、切削対象物長さ（深さ）は長尺トリマービット限界の8.5cm程度迄です。一方、茶箱完成長さはそれの２倍程度なので、10cm角の木曽檜の立方体を2個使って、切ったり貼ったりして、直径10cm、長さ17.2cmの円筒形縦半割り方式の茶箱を作りました。木質は細かい工作に適した桂材にお手軽物が無く、檜材使用になりましたが、茶箱側部（厚さ8mm）の蓋と本体の合わせ目に嵌め込みの段差（カギヤロー蓋と言うらしい）を作る必要があります。檜材での細かい切削は技量上無理なので、本体と蓋の接触面になる水平切断面に3㍉角の檜桟木を双方に貼って段差にしました。立方体を円形切削後で縦割り切断するには、手持ちのレシプロソー駆動のジグソーテーブルでは精度で困難と思い、材料調達の際にバンドソーで真二つに切って貰い、一旦両面テープで張り付けた後に、トリマーで内外を円形切削し、再度半割に戻して縦に繋ぎ合わせる方法で、本体と蓋を製作しました。半割茶箱は、円筒部外側に設けた平ら部分を使って、野点の際には蓋の裏返しで建水（湯こぼし）になります。
持ち歩く茶箱で一番気を遣うのは、抹茶を零れないように収める茶入れです。ましてや自転車に直接搭載の茶箱用ですので、シッカリ密閉できるネジキャップ式の茶入れを作る事にしました。頼りになるのは、１年前のクリスマスセール入手の、木のネジキットです。セールではボルト径1インチ用（本当なら1.5インチのが欲しかった）だけでしたので、これで遣り繰りです。ボルト軸(ここが瓶のｷｬｯﾌﾟ受けと首になる)の中刳りを行ない、小指が入る大きさまで拡げて、後は各パーツを繋げて、最後に拭き漆です。
超小型ガスコンロ（イークッカー）は15分間燃焼容量の注入方式ボンベですが、デミタスカップで200ccの湯沸かしが冬場でも３回分出来、注ぎ口穴を設けた欅材の蓋から旨く湯が出てきます。銀瓶ならぬチタン瓶と悦に入ってます。つめかえ君メーカー特注のアダプタで、ボンベとBRS3000Tバーナーがワンタッチで堅固に接続出来ます。
茶箱を受ける太め用のボトルケージは、Dahon Dove 14インチ車と、カワムラ ライカ コンパック 16インチ車の両方で使えます。両方とも折畳み式（フォールディング）なので、行けるようになったら、しまなみ海道で野点をしたいですね。 以前製作のフロントダブル用変速機の第２弾として、前ギヤすぐ近くにディレイラーを設置する様にカスタム改造しました。前回同様ジャンク入手のサンプレックスのプレステージを、今回は原型が判らない位に細く削り、Doveの補剛板も相当削って前変速機を三角空間に知恵の輪状態で嵌め込み、エポキシパテのブロック槐2個で上下に挟み込み固定です。外した第１弾のサンプレ改造版は、細身になった今回のがポッキリ折れた場合に備えて暫くは御宝箱に。その後どうしようか？
参考にさせて頂いた巨匠の名品を拝ませて貰うため、コロナ禍の間隙を縫って、ホイールバッグ活用のコンパクト輪行袋で郊外電車で行ってみました。
ミニベロ（Dahon Dove）のフロントダブルに供するフロントディレーラーの木製ブラケット
ミニベロの調整に使うグリップ式サイクルワークスタンド、トリマル君用集塵機の初使い
作者紹介
- 作者名（ニックネーム）
- sarusuberi
- 性別
- 男性
- 年齢
- 60代
- 木工歴
- 0～5年
- 住所
- 東京都