どら焼きサイズのミニ茶箱、トリマル君で半月型茶入れ、つなぎ茶杓


作品紹介

作品名
どら焼きサイズのミニ茶箱、トリマル君で半月型茶入れ、つなぎ茶杓
材質
桂 朴 栃
使用した道具
トリマー(E-Value、高儀) トリマル君
作品コメント
 どら焼きの大きさも各種あるでしょうが、最大直径10.5、厚さ5.4cmの蓋付き円形茶箱(本体部容量253cc)を作りました。旅行バッグ等にポイッと放り込んで持っていける事が前提です。私にとっての茶箱最低限仕様の、茶碗、茶入れ、茶筅、茶杓、茶巾に振出を足して6要素で構成しています。
 超コンパクトな茶箱や茶籠を組む場合の何時も悩み所が茶入れです。持ち歩く事が前提なので、中身の抹茶が零れないようにする必要があり、一方で趣味の世界なので、風情ある形でプラスチック等は避けたい気分という事で、円形の小型平棗や厚め香合からの選択にならざるを得ず、円形茶入れだと茶箱内のデッドスペースが大きく狙いの超コンパクトな茶箱はなかなか難しいという状況でした。木工細工のスキルや道具の拡充で、木工旋盤無しで中蓋付き茶入れの作成をしたり、自作テーブルソーで自由に切断が出来る様に成ると、以前から目標に合った、半月型の茶入れを作ってみようと思い立ちました。
 茶椀の口当たり部を覆い尽くす蓋があれば、椀が箱としてそのまま使える清潔さを確保でき、その中の半分が茶入れで、残り半分に茶筅、茶巾、茶杓と振出を収めると、円形の空間を旨く使えたコンパクトな茶箱を作れると目論んだわけです。
 茶箱に該当する蓋付きの椀は、馴染みの木地屋さんから2年位前にこれで茶箱を組めるようになったら良いなと思って入手した栃の円形小箱で、これが茶碗になります。内径92ミリ、内縁高さ38ミリで、内側に僅かに窄む形で抹茶が点て易い形状が気に入ってます。この内側ピッタリになるような半月状の茶入れを作ることにしました。工作対象は、檜で先ずやってみましたが、細かい部分が旨く行かず材料を桂に変えて再挑戦です。トリマル君とトリマーとでまず外側全周と半分づつの内縁円弧部分を削り、ドリルスタンド駆動の旋盤擬きで外側円形整形を行なった後に、水平トリマーで直線部分を削ります。円形部材を四方から固定する治具を準備したので、その上にガイドバーを固定しての直線削りで、半月型茶入れ2個分が出来ました。茶入れ自体の蓋天端が茶碗蓋下面ピッタリに当たるので、外側網袋でしっかり包めば中身が漏れないという目論見です。
 茶道具用網袋としては大物となる直径10cm用の網袋作成柱を用意する必要があり、以前作った直径13cmのまんまる茶箱用と同様に、トリマル君で2枚の円板を切り出して、それを天底板にし硬質ゴム板で筒状に囲むという構造にしました。
 コンパクト化での課題になるのが茶杓です。出回っている短いのは長さが12cm前後のもので、椀に収めるため更に短縮化のを使う予定でしたが折角ですから、構想のあった分割茶杓を作ってみました。折畳みと謳って前後パーツを接続ピンで繋ぎ、片方をクルっと廻して長物化するのが野点用として出回っていますが、趣を求めて長尺の煤竹茶杓にすることが出来ました。 椀の蓋には、屋外での野点に必須な茶筅立てを設け、ミニサイズ盆略擬きの点前が行なえます。
まんまる茶箱

 

作者紹介

作者名(ニックネーム)
sarusuberi
性別
男性
年齢
60代
木工歴
0~5年
住所
東京都
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