まんまる茶箱


作品紹介

作品名
まんまる茶箱
材質
ウォールナット 桜
使用した道具
サークルカットジグ「トリマル君」 ドリルスタンド
作品コメント
 茶道の茶箱(茶籠)というジャンルは、煩い作法の中にあって結構遊ばして貰えるという面白みが有り、一度填まるとゾッコンになるという風に言われてます。世には、三井家や徳川家の豪華茶箱といった頂点に臨する様なお宝が数多ありますが、庶民は願望の眼差しで拝見しながら、自分の力量範囲内で遊ばせて貰ってます。
 中に組まれる道具類も千差万別ですが、入れ物である箱や籠も形状や材料で多くの種類があり、何時の日か作ってみたいと思って居る瓢箪型などもその一つです。そんな中で、球体(まんまる)の茶箱を思いつきました。元アイデアは或る木地屋さんが出している「まんまる菓子器」という碁石入れに近い形状の刳り抜き菓子器です。これをいっそ球に近づけて中をソックリ刳り抜いたら茶箱になるのではと思いつきました。そのアイデアで頼んでウォルナット材で作って貰った菓子器が原型です。底が平になってるので完全球体ではありませんが、直径13cmのほぼ球体です。
 3年ほど前に入手後、中に組む道具類が決まらないので止まってましたが、頃合いの茶碗を見つけたので、製作再開です。相生袋に包んだ茶碗がソックリ収まるように、本体と蓋の各々内側をドリルスタンドと回転作業台を使って結構削りました。残存厚さを測るためにダブルエンドキャリパーセットも入手して、確認しながらの工作です。塗は素地の良さを出すために、ガラス系塗料にしました。
茶箱の構成要素として必要と考える、①抹茶(茶入)、②茶筅(筒)、③茶碗、④茶巾(箱)、⑤茶杓の内、①の茶入れも苦心しました。茶碗の中に収めるので極力高さが低く、且つ漏れ防止の中蓋付きのモノにするため、やや嵩のある桜香合(ネジ付)の内外を削って、中蓋は別の桜板材から切り出して塗は拭き漆にしました。④の茶巾箱は、皮革でトライしてみました。茶道具に皮革は合わないのかなと思ってましたが、京都で皮革製の茶箱を見て考えが変わりました。絞りという技法を使っての小箱製作です。固形剤で固めた後、赤い人工漆で拭き漆です。
最後は、茶箱を包む網袋です。直径13cm用の網袋作成柱は旋盤が無く木柱の用意が出来ないので、上下端円盤の間を硬性ゴム板で包む筒方式で準備しました。茶道具の網袋は対象が大きくてもせいぜい直径6cm程度迄なので、使う糸量も組手間も多くなりました。

 

作者紹介

作者名(ニックネーム)
sarusuberi
性別
男性
年齢
60代
木工歴
0~5年
住所
東京都
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