バンドソーボックスは基本的には木の塊からバンドソーで引き出しと引き出しの中をくりぬき、前板と後ろ板を付けて完成ということですが、方向性の異なる作り方がいくつかあります。
① あくまでもオーソドックスに、simple is the bestを貫く作品を目指す。
② 機構的にはオーソドックスでもデザイン的なセンスを駆使して眼を引く作品を目指す。
③ 機構的な新規性を求めてこれまでに見ない作品を目指す
制作者はこんな姿勢を意識しながら作っているのではないでしょうか。
私はどちらかと言うと③が好きです。バンドソーボックスの範疇(制約)を守りながらいろいろギミック的なアイディアを実現するのが楽しい。
いちばん苦手なのは②です。そもそもデザイン的なセンスを持ち合わせていません。
でもそこにちょっと③の要素を入れると思いつくものが出てきます。
今回の作品はそんな方向性「②✛③」を持った作品です。その姿から勝手に想像して、気取った名前を付けてみました。”森のキノコ達(Mushrooms in the forest)”です。
塗装には、オイル拭きのあとウレタンを吹き付けました。オイル拭きには上塗りはしないか、蜜蝋等のワックスで仕上げておくのが普通かと思いますが、オイル拭きした後の潤った美しさをそのまま残したいと思い、透明ウレタンの上塗りを試してみました。オイル拭きの上に水性塗料ですから乗るかなと思っていたのですが、これが結構綺麗な塗膜を作りました。乾燥も早いので、スプレーで3回吹き付けると美しい透明感が出てきました。問題はこの状態が長持ちするかどうかです。
さて、この箱から、森で幸せに暮らすキノコ達の姿をイメージできますでしょうか。
製作過程をYouTubeに載せています。https://youtu.be/2dTxoa3Fpk0